ゴミ箱までチェック 「現地に行けば必ず問題見つけた」徹底的な調査チームに橋下市長も脱帽

2012.3.2 12:31 (1/2ページ)[west政治]


 「現地に行けば、必ず問題が見つかった」。大阪市職員の不適切な組合活動や服務規律などについて実態を調べ、問題点を中間報告にまとめた市特別顧問の野村修也弁護士は、1日開いた記者会見で調査の過程を振り返った。市側から組合側への「ヤミ便宜供与」、職員採用をめぐる口利き疑惑、組合員の勤務時間中の選挙活動…。数々の問題がごみ箱まで点検する“執念”であぶり出された。橋下徹市長も「野村氏の仕事はすばらしい」と絶賛した。
 調査チームは、区役所や市バスの営業所、市営地下鉄の駅などへ出向き、抜き打ちの現地調査を行ったほか、内部告発者への聞き取りなどにも当たった。特に現地調査は有効で、市側の説明をうのみにせず、実際に一部屋ずつ確認して回ったという。

配管の奥に隠し部屋、はな紙に混じり選挙カー

 「奥は配管があるだけですよ」。ある市バスの営業所で管理者からそう説明を受けたが、疑念がわいた。部屋の奥に進むと組合の“隠し部屋”が見つかった。
 行く先々で違法行為に気づいた野村氏。「気持ち悪い思い」を抑え、はな紙の混ざったごみ箱の中まで確認したケースもあった。ごみ箱の中から、組合が特定の候補者の選挙活動に利用する際の「紹介者カード」を発見したという。
 「不適切な便宜供与には管理者の問題がある。黙認していたり、組合と折り合いをつけていたりしていた実態もある」と野村氏。「これらは氷山の一角。いろんないいかげんな行為を行っているということの一例。心の中にやましいものがあれば、うみを出してほしい」と話す。
 一方、橋下市長は野村氏の報告について「きちっと調査をしたら、こういう事実が出てくる。きれいごとばかり言うような調査人では、事実は暴ききれない」と指摘。「野村氏がいたおかげで、大阪市民は新しい事実を知ることができた」と高く評価した。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120302/waf12030212370010-n1.htm