橋下知事、高校生と熱く議論 財政難訴え「皆で我慢を」

2008年10月24日0時18分
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 大阪府橋下徹知事は23日、府の財政再建策で私立学校への助成を削減したことなどについて、府内の高校生12人と意見交換をした。財政難を訴えて「みんなが我慢しないと借金はなくならない」と熱く語り、府職員が止めるのを制止して、20分の予定を1時間以上延長して「本気トーク」を繰り広げた。

 私学助成の削減案を知り、公立と私立の高校生らが4月に結成した「大阪の高校生に笑顔をくださいの会」が要望して実現した。まず、中学でいじめに遭って不登校になり私立に進んだ女子生徒や、母子家庭で家計を心配する私立の男子生徒らが「安心して勉強させて」と訴えた。すると、知事は「借金してばらまくのは簡単。でも5年後10年後を見据えてみんなで我慢する」「高校には全員がいく仕組みじゃない。(高校とは)別の選択肢もある」と応じた。

 高校生らが「公立は定員があって落ちる子もいる。見捨てるんですか」と詰め寄ると、知事は「義務教育までは平等に扱う。その先は定員があってずっと競争。それが世の中の仕組みだと自覚しないと」と答えた。

 また、無駄な道路整備などでなく教育に税金を回すべきだという女子生徒の話には、知事は腕を組んで聴き入り、「あなたが政治家になって変えればいい」。女子生徒が「それじゃ遅いんですよ」と涙をみせても、「必要か不必要かは最終的に政治判断」と返した。

次の予定があるため議論を途中で打ち切ることになると、橋下知事は申し訳なさそうに、「次もまたやりましょう」と約束した。

橋下知事、生徒にマジ反論 「私学はあなたが選んだ」

 大阪府橋下徹知事は23日、府が財政再建の一環で私学助成を削減したことなどをめぐり、府内の私立、公立の高校生グループと府庁内で意見交換した。生徒からは削減に反対の声が相次いだが、橋下知事は「私学はあなたが選んだ」「日本は自己責任が原則」と厳しい態度を貫いた。

 橋下知事は冒頭から「僕も反論します」と本気モード。私立大阪高校(大阪市)に通う母子家庭の男子生徒が、中学でいじめにあったため、学力的に公立に行けなかった事情を説明すると「いいものを選べば、いい値段がかかる。条件を比較して、あなたが選んだのでは」とやり返した。

 知事は「今の日本は自己責任が原則」と強調。一方で「何でもかんでも自己責任はおかしい。だから私学助成はゼロにしていない」と理解を求めた。